なのに、颯太はすでに家の前にいて、門に寄りかかりながらあたしを待っていた。
「お、早くね!?
珍しい。明日は雨かも」
あたしに気付いた颯太は驚いた顔をして言った。
「うっさい!
お母さんに起こされたのー。
ってか今日は颯太よりも早いと思ったのに!」
「ばーか。
ならもっと早く出てこいよ」
ふ、と鼻で笑う颯太にカチンとくる。早起きが少し得意なだけなくせに。
「明日こそは!」
「無理だろ!」
そこまで即答されると自信なくすんですけど。
あたしだって早く起きようと思えば早く起きれる
…はず。
「ってかなんで颯太は早く起きれるの?」
七不思議のひとつだよ。
あたしと一緒で寝坊してそうなのに。
…という言葉は今は心にしまっておく。
「秘密。
教えたとしてもお前には実行不可能だな」
そう断言されると余計に気になってしまう。
「教えてよー」
「ダメ」
「ケチ!」
「ケチで結構。
ほら行くぞ」
颯太はスタスタとあたしを置いて歩いていく。
「ちょ、颯太!
待ってよ!」
あたしは颯太を追って走り出した。

