モデル同士の恋

「じゃあ遊園地！」

「え。やだ」

あたしの言葉に颯太が間髪入れずに言う。


「あれ?
どこでもいいって言ったよね?
高所恐怖症だからぁ？」

意地悪そうな声を出して颯太をからかうあたし。


颯太は…

それ以上、何も言う舞うこともせず、ただ落ちこんでいる。



颯太は高所恐怖症だ。


絶叫マシンとかは一切ダメだし、観覧車も下を見れない。


これには、深い理由があるといつも言うけど、あたさは聞いてるうちに眠くなって寝てしまうので最後まで聞いたことがない。


「いいよね？担当さん」


今から行く予定の遊園地、楽しい乗り物ができたと噂。


まだ行ってないから行きたいと思ってた。


「べつにいいよ。
颯太君がいいなら。」


「颯太いいよね?」

と一応聞く。

答えは決まってるけど…。

「嫌。」

やっぱり、予想通りの答えが返ってくる。


でも…

「遊園地に決定だね。
担当さん、よろしく!」

とあたしは颯太の意見は結局無視して決めた。


「了解〜!」

担当さんの言葉に

「最悪。
憂鬱だな・・」

と颯太は心底嫌そうな顔をして呟いた。