私は、屋上を後にし ひたすら走った。 追いかけてこないと わかっているのに ひたすら、走ったんだ。 気付いた時には涙が 溢れ出ていた。 『うぅ…ヒック…。』 「ハァ、ハァ…ハァ ま、待てって言ったのが… 聞こえ…なかったのか?」 『ヒック…うぅ、せ、んせ?キャッ』 「悪かったよ。でもな まだ生徒と先生だろ 卒業式が、おわったらな」 そう、先生は笑顔で私を 抱きしめて言った。