天使のキス。

「最近、実話の方が人気っていうか、売れるんだよな」


…って、健ちゃん、ちょっと待って!


「ん?
なんだ、愛里。
この手は…」


リビングのドアを開ける寸前、健ちゃんの腕に全身の力をこめて飛びついたあたしに、


「あ、やっぱり気が変わった」


健ちゃんは腕を振り払う形で、あたしの体をひょいっと避けた。


「シンデレラストーリーをやめて、ラスト、切なくもつらい、ドロドロストーリーにしようかな」