アイツの授業は分かりやすかった。
もともと頭は良くない。
テストの度に弥恵や和佳に伊織と共にしばかれてる。
「じゃぁ授業はここまでにして、頭の体操しようかな?」
かたくなった頭をほぐすのも大事かも。
変に頭に容れても意味がない。
と、弥恵も和佳もわかってるから毎回休憩を挟んで教えてくれる。
「じゃぁ終わりにします」
と同時にチャイムが鳴った。
弥恵が号令をかけて出ていった。
「“彦星”だって。やっぱり運命」
弥恵が自分の席から来て言った。
違う
「そろそろ七夕だね〜…」
……。
「俺、この間会ったぜ」
……。
「アッチはかなり気にかけてたぜ織姫の事を…」
私達にはもう1人幼なじみが居たんだ。
頭良し顔良し性格良しで私の彼氏だった。
このあだ名も小さい時にアイツ…虎汰(コタ)がつけた。

