一度きりの愛【SS】



「ごめん…2人にしてくれない?」



3人は部屋から出ていった。


伊織と弥恵は何か言いたそうな顔をしていたが、もう答えを出したから。












″バタンッ!″



「虎……!」



出ていった虎汰を和佳が後を追った。



「………圭織…」



涙なんて枯れない。



「うん…うん……泣きな…」



伊織は抱き締めてくれて弥恵は一緒に泣いてくれた。

皆に嫌な思いをさせてしまった七夕だった。







次の日から気まずかった。





でも、夏休みを待たずして虎汰は引っ越してしまった。


私は愚か和佳や伊織、弥恵にも言わず…。




「ごめん……ね」




いっぱい優しくしてくれた。















過去から現実に戻されたのは和佳の言葉だった。



「あっ、虎汰なぁ…新しい彼女が出来たんだって。今度紹介したいってさ」




前に進めてないのは私だけだったみたい。




過去に囚われて馬鹿みたいに思い出に耽(フケ)っていた毎日





もぅ、次に進まないと。