「あっ、みぃ…オレにもタオル投げて!」



聞きたくないのにどうしたって聞こえてきちゃう。

奏くんが美桜をみぃ…って呼ぶ特別な呼び方。







今日の集まりは……、カナミはいないけど後はいつものメンバー。

諒一くんの家にバスケットゴールが付いてて新ちゃん達はよく使わせてもらってるんだって…。

どうやら諒一くんはお金持ちだったみたい。


バスケットゴールが付いてる庭も広いし、お家も…メルヘンチックなカナミが喜びそうな造り。




小春ちゃんが行くって言うから私と美桜も誘われて初めて来たけど、見た時は圧倒されちゃったもん。














あの文化祭の日の事…。

あの日……、2人の間はどうなったのか。


私は聞いてない。




進展したのかわからないけど、確実に距離は縮まったように見える。

今まで美桜には極力話し掛けなかった奏くんが…みんなの前でも話すようになった……。



それだけで彼への想いがより一層強くなる気がした。







諒一くんが用意してくれたオレンジジュースを一口飲んだ。

木枯らしが吹いて枯れ葉が足元に移動してくる。


新ちゃんと奏くんと諒一くんはまたバスケットゴールに戻って、側で見てる大地くんの元に小春ちゃんが付いて行った。




少し離れたベンチに美桜と座ったまま……


私の心臓はドキドキしてる。