沈んだ様子で、課長室から出て来た2人。

謝ろうと思ったけど、体が動かない。

ジーッと2人を見てると、難波が床を蹴飛ばし、椅子ごと由良さんに近付いた。



「俺も手伝うから、また調べ直そうや」



「うん。難波君、ありがとう…優しいね」



ニコッと笑う由良さんに、難波は「普通や」と言いながら、自分の資料を貸した。

モヤモヤとする心。

上手く甘えられないし。

由良さんに対して優しい難波にムカッとする。

…私には、口調が悪いのに。

資料の整理をしなきゃいけないのに、握り締めた拳が開かない。