「何で止めるの?」



怒りの矛先を、難波に向けてしまった。

難波は「俺かて、同じ気持ちやで」と言って、由良さんのデスクに浅く、腰を掛けた。



「せやけど、由良さんは新人や。お前みたいに、親の姿を見て来たわけちゃうし、失敗かてある。
坂田さんも、100%フォローは難しい事やねんて」



珍しく優しく宥められ、私は口を閉じた。

失敗は誰にでもある。

そうして人は成長する。

坂田だって、自分の仕事がある。

仕方なかったのかも知れない。

私は、何も手伝わなかったのに、言い過ぎたかも知れない。