それも良いんだけど。

私は「寂しいよ?」と、疑問系で言って笑った。



「寂しくないんやろ」



「いつも寝るのは1人だから」



「そりゃそうやろ」



手を繋ぎながら、夕陽を見つめる。

これからも、たまにで良いから、2人で穏やかな時間を過ごしたい。

会話なんていらないから、隣でまったりと居たいんだ。



「難波」



「那維斗でえぇ」



「…那維斗が、木ノ島に来てくれて良かった」



もしも那維斗が。

転勤して来なかったら。

もしも那維斗に。

転勤の話がなかったら。

出会えなかった。

付き合えなかったんだもん。