「かーおりっ!」

朝、昇降口で小枝に会った。

「聞いたよ。4組のクラス代表、小山くんになったって。」

小枝、その話題私にしないでよ。

「香も最終候補になったって聞いたよー。なんでやらなかったの?」

小山くんと仲直りするチャンスだよ!って力説する小枝だけど、そもそも私とアイツが仲良かったことないから。

「私ミスコンとか無理だし。」

「えぇー。香、美人さんだから良いと思うんだけどな。」

「良いよ。慰めてくれなくて。」

美人じゃないってことくらい、自分で分かるよ。

「そんなことないよ。ね、小山くん!」



「美人?こいつが?」

ハッ

頭の上から、アイツが嘲笑する声が降ってくる。

「アンタだって、なんかの間違いなんじゃないの?」

思いっきり整っているアイツの顔に、思いっきり負け惜しみの言葉を投げつけた。

…私自身がアイツに入れちゃってるんだけどね。