「薫は?」

気持ちがウキウキして、今ならどんなお願いだって聞けそうな気がする。

「なんでも良いのか?」

「良いよ。あ、でも『バンジージャンプしろ!』とかはなしね。」

笑って薫を見るけど、薫は真剣な顔をしていて、ドクンッと心臓の鼓動が速くなった。

スッ

薫は壁に寄りかかるのをやめて、私の正面に立った。

え、なに?

体に緊張が走る。

どうしたんだろう…。

ドキドキしながらも、薫の顔を見る。

薫に目を見られると、私はどうすれば良いのか分からなくなる。

「俺、…香が好きだ。」

私の心を射抜くような薫の瞳。

胸が熱くて、視界が霞む。

「だから、俺と付き合えよ。」