1ゲームだけして私たちはボウリング場をあとにした。

2人で駐輪場の壁に寄りかかりながら、無言のままジューズを飲む。

薫はいつもみたいに突っかかってこなくて調子が狂うけど、こんなのも居心地がいいなぁなんて思える。

「120点越えたから、お願い聞いてやるよ。」

そう薫に言われて、すこし躊躇ってから口を開く。

本当になんでも良いのかな?

「…じゃあ、また一緒にボウリングしたい。」

精一杯の勇気を振り絞って言った。

胸がドキドキいって、返事を聞くのが怖い。

「ん、分かった。」

私の不安をよそに意外にもあっさりと薫は承諾してくれた。

「本当?」

「あぁ、まだ券も残ってるし。」

どうしよう、嬉しい…。

今の私にやけ顔になってないよね…?