「お前に入れたのが15人もいるなんて、世の中意外に物好きが多いんだな。」

帰りに昇降口で靴を履き替えていると、急に背後から低い声がした。

「うっさいわね。こっちだって驚いたわよ。無愛想なアンタがミスターコンテストのクラス代表なんて。公開イジメにならないと良いね！」

ムカつくから、振り向きざまに思いきり鞄をぶつけた。

「…ってぇ。馬鹿力。」

全然痛がってないクールなその表情に、独り相撲をとっている自分がすごく情けなく思えた。

「せいぜい焼き肉食べさせてよね！」

去り際にアイツの鞄を思いきり叩いた。

可愛さの欠片もない。

小学生の男の子並みの言葉と態度しか出ない自分が嫌になる。

あぁ、私いつまでこんなことしてるんだろう。

ずっとずっと成長できてないじゃん…。