クラスが発表された時、ステージ脇で玲奈がぴょんぴょん跳ねているのが見えた。

「それでは、2年4組のクラス代表のおふたり前へどうぞ。」

アイツはまたステージの中央に出てきた。

「今回は、小山くんの人気が圧倒的だったという事ですね。」

そう言いながら、あの蝶ネクタイの男子がアイツに大きなトロフィーを渡した。

大きな拍手が沸き上がる。

なのに、あいつはいつものクールな表情を崩さずにいた。

あんまり嬉しくないのかな?

まぁ、あんまりこういうの喜ぶタイプじゃないか…。

「小山くん、せっかくなので一言お願いします。」

アイツにマイクが向けられた瞬間、体育館中がシンと静まった。

「どうもありがとうございます。どうして俺が選ばれたのかよく分からないんですが…。クラスのみんなで焼き肉に行けるのは嬉しいので、良かったです。」

パチパチパチ…