「もっとくっついて!」

すこしだけアイツとの距離を詰める。

「指1本分も詰めてないじゃない!」

玲奈、怒らないでよ。

「もう、じれったい!!」

玲奈はズカズカとやってきて、私とアイツの距離をグッと詰めた。

「ち、近いよ。」

ぶつかっちゃってるじゃん。

「小山くん、手はここ!」

「…ひぃっ!」

「変な声出すなよ。」

だって、アンタが私の腰に手を回してるからじゃん!

「よし!動いちゃダメだよ。スマイル~。」

玲奈、どうしてそんなに楽しそうなのよ。

ぶつかっている場所が熱くて、体中に心臓があるみたいにバクバクいっている。

「香の携帯でも撮ってあげる!」

スッと制服のポケットから抜き取った玲奈は携帯を構えた。

「はい、チーズ♪」

暢気に笑えません…。