どれくらいの時間が経ったのか分からない。

体育館の熱狂がかすかに耳に届いているのを感じながら、私は中庭まで歩いて来ていた。

はぁ…

なんでこんな所にいるんだろう。

きっと今この瞬間、この学校でたった独りぼっちなのは私だけだ。

さっきまで耳に響いていた体育館のあの熱狂がまだ耳に残っていて、さらに空しくさせた。

♪ ♪

送信者:伊達玲奈

『次はドレス!10分後に教室に集合!!』

まだ、前半戦か…。

どうせ私が行っても、また何も役に立てないままなんだろうと思うと、このまま逃げてしまおうかなんて一瞬でも思ってしまった。

だけど、玲奈に心配はかけれないよね。

トイレに寄って、自分の酷い泣き顔に苦笑いして水で顔を洗った。

この涙と一緒に全部流れて行ってしまえば良いのに…。