実行委員の玲奈と、代表の美代ちゃんはステージ脇にスタンバイしに行き、残りの私たちは人が溢れる観客席に行く。

「混んでてバラバラに座るしかなさそうだね。」

詩織が席を見まわしながら言った。

もう9割近くが埋まっていて、ぽつりぽつりと空席があるくらい。

「私、立ち見で良いよ。」

そう言って、後ろの壁まで歩いて行き、そこに寄りかかった。

あんまりステージの近くで見たくないし…。

ただ、観客席はパイプ椅子が並べてあるだけだから、後ろの壁にもたれていてもステージは何の障害もなく見ることが出来る。

はぁ…

私、どんな気持ちで見れば良いんだろう。

純粋に楽しむこと、出来るんだろうか。

♪~

「それでは、ミス藤ヶ丘・ミスター藤ヶ丘コンテストを開催します!」

高らかに開会が宣言された。