ポスターが完成すると、学校の至る所に貼られた。

1クラス6枚まで、3学年で108枚だから相当な数だ。

「ねぇねぇ。2-4の執事姿の人すごくカッコイイよね。」

こうして、廊下を歩いているだけでアイツのことを話す女の子たちの声が耳に入ってしまう。

はぁ…

いろんなクラスのポスターがあるのに、どうしてかアイツが目についてしまうんだ。

「香、なに溜息ついちゃってるのよ。」

小枝、分かってるくせに…。

「うざいくらい目につくんだもん。」

「まぁ、格好良いもんね。小山くん。」

「ちょっ、名前!」

もしも聞かれたらどうするのよ。

「良いじゃない、別に。みんな言ってるよ。」

みんなは良いかも知れないけど、私がそう思ってること知ったらきっとアイツは笑うもん。

「にしても、力作よね。小山くんフェロモンがダダ洩れな感じだもん。」

フェ、フェロモンダダ洩れって…。