「褒めて欲しい?」

もし素直に頷いてくれれば、言ってあげても良いかな。

そう思って、アイツを見るとちょっとだけ意外そうな顔をしていた。

「褒めて欲しくないの?」

なんにも返事をしないアイツをじっと見上げると、

「お世辞はいらねぇ!」

なんて可愛くないことを言って視聴覚室に入ろうとするから、その背中に

「まぁ、アンタにしては格好良いと思うよ!」

って捨て台詞を投げつけて、小ホールへと逃げ帰った。


ハァッ ハァッ

心臓がバクバクいっているのは、

走っているから?

それとも…

アイツに"格好良い"と言ったから?