「で、写メ撮らなくて良いのかよ。」

しばらくの沈黙の後、口を開いたのはアイツの方だった。

そうだった!

本来の目的忘れるところだった!

「じゃ、撮るから。」

そう言って、私は携帯のカメラをアイツに向けた。

玲奈に頼まれていたのは顔のアップと全身の2パターン

さらに、正面、両側面も撮らないといけない。

「じゃあ、顔アップの撮るから。」

そう言って、アイツの顔を枠内に収めてボタンを押す。

パシャ

アイツは不機嫌に顔を顰める。

「前触れもなく撮るなよ。」

はい、チーズ!

…とでも言えば良いの?

「…ごめん。」

一応、謝ったよ。