ガチャッ

『もしもし』

「え、あ…」

『なんだよ。』

どうしよう、緊張して唇が震えてる。

『何か用あるんじゃないのか?』

イライラしているアイツの声が脳に響く。

「えっと、今どこにいる?」

頑張るのよ私!

これは任務なんだから!

『視聴覚室。』

「あの、写メ撮りたいから、外に出ててくれない?」

『なんで写メ?』

「その、美代ちゃんのメイクの参考にするために…。」

別に私が写メに収めたいと思ってるんじゃないもん。

『ん。じゃ、待ってる』

プツッ

まともな会話が出来てしまったことに、ジーンと来てしまった。

"待ってる"って良い響きだな…。