静まり返った体育館の中
愛美と安藤は睨み合い、お互いの様子を伺っている。
先に動くのはどっちか。
生徒達は息を殺して見つめている。
睨み合いは続いているが、どちらもなかなか動かない。
『安藤、かかって来いよ』
愛美はそう言って、手招きをする。
だが、安藤はその挑発には乗って来ない。
”随分慎重だな、思ったほど血の気は多くないのか…、
まっ、赤星の頂点に立ってんだから、そう簡単にはいかないよな…”
二人のにらみ合いが続き、最初に動いたのは安藤だった。
愛美に殴りかかって来る安藤を、愛美はあっさりと交わす。
そして、またすぐに安藤は殴りかかって来るが、愛美はまた交わす。