一ヶ月が過ぎても、田村は会いに来ていた。
何を言う訳でもなく、遠くからただ見ているだけの田村…。
気持ち悪いと言うか、不気味と言うか、とにかく何とかしてほしい…。
ハッキリ断らないといつまでも来るって訳なのか。
愛美は赤星の話を聞いてから、ずっと考えていた…。
考え始めると、部屋にこもったままで…。
「トントン…、愛美入るぞ」
蓮が部屋に入って来た。
『蓮、お帰り、遅かったね』
「ちょっとな…
愛美、ケーキ買って来たから食おうぜ」
蓮はそう言って、部屋を出て行った。
蓮の顔を見て、愛美はすぐに分かった。
蓮は話があるのだと…。