蓮は愛美の涙をふき、左の薬指に指輪をはめた。


「どうだ、婚約指輪の付け心地は」


『凄くきれー!』

と愛美は指輪に見とれていた。


「高い指輪じゃねーけど、取り合えず、それで我慢してくれ」


『値段なんて関係ないよ。
蓮の気持ちがたくさん詰まってるんだから
どんな高価な指輪よりも価値があるよ。
私にとっては、何よりも大事な宝物』


「早く結婚してーな、愛美と」


『私も早くしたいな。
蓮…、もしかして…、この指輪のためにバイトしてたの』

と蓮に聞いたが、蓮は答えてくれなかった…


もし、そうだとしても、嬉しいことには変わりないし、
私が知ることではないのかも知れないと愛美は思った…。