「俺が心配するほどの事じゃねーよな」
『心配してくれてありがとう。
それに、皆に黙ってくれたことも…』
「愛美が元気ならいんだ。
愛美も色々大変だよな。赤星の事だって」
『私はどうやら、世間一般に言われてる、
平穏な生活ってのが出来ないらしいわ…。
これが私の運命ってやつなのかな』
こうやって、何故か蒼太には話してしまう。
蓮に話せない事でも、蒼太には話せたり、
年がタメってやつだからだろうか。
しばらく話をして、蒼太は帰って行った。
愛美は着替えをして、家を出て行く。
『さてと、体力つけるために歩いてやるか。
待ってろよ。赤星』
愛美は準備運動をして、薄暗い街の中を歩いて行く。
こうして、愛美の赤星への挑戦が、静かに幕を開けた。