ふぅ、とため息をつく。

「君は金が欲しい、そうだね?」

「はい」

迷わず答える。

「それがどんなやり方でも?」

男は真っすぐに俺の目を見ている。

その顔は真剣そのものだ。

元より楽をして金が手に入るなんて思っていない。

どんなに辛い仕事でもやり遂げる、やり遂げなければいけないんだ。

「はい」

目を逸らすことなく答える。

「いい返事だ」

そう言うとふっ、と表情を緩め笑った。