「…なあ」


珍しく亜樹人が優しい声で話しかけてきたのは
4時限目のこと。


「なに、急に?」
「お前さ…なんで笑えんの?」


その言葉の意味は
すべて悟る事が出来た






「もう…1年経つのにね。
あたしだって忘れた日なんかないよ」
あたしの頭の中に
あの日の様子が蘇る


響く着信音
泣き叫ぶ事と共に
告げられた事実



あの日は、いとも簡単に
あたしから鮮やかな世界を
うばっていった