―この傷は、ちっちゃい頃あたしが木から落ちた時に、心平が守ってくれて出来たんだ。



調子に乗って高いトコまで登って、降りられなくなって。



飛び降りても比較的安全な場所まで誘導してくれた。


それから、地面で先に降りて、両腕を広げて待ってて受け止めてくれた。



あの時、心平のコト信頼できる数少ない大切な人なんだって思った。



―もちろん、ちっちゃかった心平が受け止められるはずもなく。



あたしを包み込むように倒れて、肘に傷を負った。



縫うほどに。



このたくましい腕がなかったら…どうなってたかわかんない。



今年は日焼けした心平が見れないんだ…



なんかちょっと、寂しい気分。



日焼けした夏の心平は一層カッコいいのに。