あたしは水道へ走って蛇口を全開にした。



飛び散る水しぶき。



このジャーッて流れる水の音が、何もかもをチャラにする音なんだ…

って思ったら。



やっぱ無理!!



こんなこと、もうないんだ…

心平とチュウするなんて。


あたしはその水しぶきに手を突っ込んだ。



それから勢いよく石鹸で泡立てた。



心平は―――ポカ〜ンとした表情で何か言いたそうに唇を動かそうとした。




あたしはそれを食い止めようと、



「泡使う?」

なんてアワアワな手を差し出して言った。



「あ…おっおぉぉ」

心平もなぜか隣で手を洗ってる。



心平の手にあたしのフワフワな泡を乗せる。