「ま、事故だからチャラだよ、こんなん。

だから、この事故はカウントされねぇから。

ちゃんと好きなヤツとする時が…

それがほんとの初チュウだから」

平然と心平はそんなことを言う。



違う……違うよっ!!



ちゃんと…ちゃんと好きなのに…

ちゃんと心平のこと好きなんだよ。



「な〜に、しょぼんってしてんだよ!!

そんなヤだったのかよ。

待ってて!」

そう言って、今度は心平の姿が消えた。



それで帰ってくると、心平はチェックのハンドタオルを持ってる。


「よしっ!!これで拭き取れば、チャラになるだろ!!」

堂々と心平は言う。



そう言って、拭き取ろうとあたしの唇にタオルが近づく。