「ごめん。よそ見してた」

 青山悠太のテレビで散々聞いた、透明感のある爽やかな声が耳の奥底まで響く。



間違いないっ!!




芸能人っていうのが十分納得できるオーラを放ってる。



「うわぁ〜〜で、出たぁ!!」

 あたしは思わずそう言いながら、後ずさりしちゃう。



オバケでも見た感覚★




これは夢?



あたしのモーソー?



思わずスクバをコンクリに落とした。



ードサッー



中身が散らばる。



不思議そうな顔をして、青山悠太らしき人は近づいてくる。



本物のはずないっ!!




だってここは、都内から離れてるし。



ドラマの撮影で忙しいはず!!



落ちつけ→あたし。