翌朝、珍しく心平が家の前で待ってた。


心平はキラキラした日差しの中、満面の笑みで右手をあげて「おっ!!」って言ってきた。


ニッて笑った顔…エクボがたまらなく…やっぱり好きなんだ。


「オハヨっ!! 今日朝練は?」


「サボリ」

 サラッと心平は言う。

心平は高校に入ってまるで別人のように部活もサボってる。


中学時代は結構、好成績を残してたし、部活も休まず頑張ってたのに。


具合が悪くて授業は休んでも、部活には出てたくらい。


中三の秋に、心平のお父さんの会社が倒産してからも、毎日新聞配達のバイトこなしてた。


部活引退しても、走るトレーニングにもなるからって言いながら頑張ってた。


心平はとにかく走るのが子供の頃から大好きだった。