「珍しい〜」

思わずそんなこと言ってた。



「まぁ…たまにはな」

そう言いながら、前を向いて心平はチャリをこぎ出す。



運動してたからか、男の子だからなのか、スピード出るっ!!



あたしの運転みたいに、たまによろめいたりしない。



風を切って膨らむ白いシャツもなびく髪も…

おっきな背中も、

ハートの傷も、

たんだん浮き上がってきた腕の血管も…

おひさまみたいな匂いも…


やっぱり全部好きなんだ。




坂道を猛スピードで走ってく!!


「ちょっ〜コワイ〜〜〜!!」

あたしは叫んでた。



思わず心平にしがみつく。


―ドキッ……ハッ


筋肉…絞まってるのを感じる。