――今日は予感通り、最悪の日だ。僕は外に出て、本当にそう思った。


――学校へ行っても、その日は授業も頭に入らず、ボンヤリと窓の外ばかり見ていた。



―――母さんの泣き出しそうな顔。妹の呆れた顔。そして、「性のない子。」と、呟いた母さんの声。それだけが、ぐるぐる回転するオルゴールのように、繰り返し、繰り返し駆け巡る。

「瀬尾君。」「瀬尾く〜ん。」

――遠くで、僕を呼んでいる声が聞こえる。