「あ〜! もうこんな時間だ。ナオ、着替え終わった?」


栞が大声をあげながら振り返ると、すでに幼稚園の青い制服を着て黄色い帽子を手に持つナオがいた。


「うん」


「じゃあ、これ持って」


肩掛けの鞄をナオに掛けて、小さいお弁当をその鞄に詰め大きいお弁当をその手に持たせる栞。


そのままチラリと時計を見る。


「よし、いってらっしゃい」


「いってきま〜す」