目の前の世界から 青以外の色が亡くなった もう 林檎の色も 向日葵の色も 隣町の原っぱの色も 一つずつ 一つずつ 忘れてゆく あの人の笑顔も あの人の声も あの人自身も 忘れてゆく 私は哀しい人魚姫 何もかも忘れて 泡となって消えてゆく 青の一部となって