「それが手遅れになるのだ。おろかな魔女、リラそのものだな」

ふと、さっき俺が来た道から、人の声が聞こえた。

「リラー!」

現われたのは、七丘と、俺の知らない女性だった。

「メルン、ユウキ」

リラは驚いていた。

「リラが、心配、で...」

かなり息急き切っている。

「なんともまぁ、見事に洗脳されたな」

女は風を巻き起こし始めた。

「そう言えば、まだ用件を聞いていないわね」

背後の滝壺で、水がざわついている。リラも魔法を使い始めていた。

「おまえを消しにきた。無駄に残った魔力はいらない」

「リラ!」

メルンという人は叫んだ。

「リラ....消えちゃわないよね?」

リラは、俺たちに頬笑んだ。


寂しさに満ちた瞳をして――――