症状としては、高熱が出たあと、胸に大きな苦しみを抱えて、一日で死んでいく。

医者も為す術はない。

僕達人間は、いったいいつ自分が死ぬかわからない、しかもリミットに近づいた状況にさらされているのだ。



僕は局長室に訪れた。

「局長、そろそろ何か召し上がって、仕事をしてください。心配なのはわかりますが、秘書が困っていましたよ。自分は死ぬからせめて最後にと犯罪行為があとを断たないんです。魔女捕獲ができないなら、せめてその対処だけでも治安局としての義務を果たさないと」

「そんなの警察の仕事だろ?」

「国際的に広がりつつあるから言ってんです。」

「じゃあ世界政府に任せとけばいいさ」

「局長ぉ」

本当に治安局とは微妙だ。

「それに、死ぬから仕事をしなくていい、という人があとを断たないんです。」

「そりゃ労働局だな」

「いや、まぁ、たしかに....」

世間は細分化が進み、区別されているので逆に範囲があやふやになっているのだ。

さて、この、普段真面目に仕事をこなす局長が、なぜこんなにも仕事が手に付かなくなるほど、食事が喉を通らないほど意気消沈しているのかと言うと、

先程話した魔女こそが、何を隠そう彼の愛する人だからだ。