「どうせまた厄介なこと言いだすくせに」

「それは、君を信頼しているからさ」

そう言って彼は背後からリラを抱きしめようとする。

「おぅ゙!!」

ぶっ倒れた。

「いいかげん覚えたら? “ごくたまに”放電してること」

お湯を注いだポットにコーディーかぶせて、温めたティーカップと一緒にテーブルへ運ぶ。

「少しはいい感じになったかと思ったのに」

ジスは苦笑いをして席に着く。

「リラ、君は、紅茶だけじゃなくて、外から温めてほしいと思わないの? たとえば人肌のぬくもりとかさ」

とぽとぽと、紅茶のいい香りが漂う。

「思わないわね。とくにあなたには」

「ちぇっ」

ジスは目の前に置かれた紅茶を口にした。

「うん。あいかわらず」

頬笑んでも、リラはそれらしい顔をしなかった。

「用事を済ませてさっさと帰って」

「どうしたのさ。俺なんかした? さっきからすっごい不機嫌」

「どうせ空からやってきた暴れもののことでしょ。タカだかワシだか知らないけど。」

「一応調査ではタカ....」

「たいして変わらないじゃないの。大体、ハゲてるのにタカもワシもあるか」

「ですねー(なんか恐い....)」