聞き覚えがあるような、ないような。 だけどどこか心地いい懐かしさが溢れ出す感覚。 思い出すのは、可愛い少女。 僕の、初恋。 「ひっ…、紘奈…?」 「まさくん、会いに来たよ」 窓からそよぐ風が、頬を叩く。 彼女の長い髪が綺麗に揺れて、思い出したくもない初恋がみるみる甦ってきて、 “会いに来たよ” その一言で驚くぐらい胸がいっぱいになって またあの時みたいに周りが恥ずかしくなるほど泣きたくなったのを噛み締めて堪えた。 いつもどおりの日常が、いとも簡単に壊された邂逅だった。