開けてみると…

片耳の白い
まだ小さな子犬が寒そうに
震えていた。

私はそっと手を出して警戒を解くの待った。
するとその子犬は
私の手をかぎはじめて
小さな舌で舐めてきた。

その子犬を抱き上げ
さっき居た小屋へと走る。

薄ピンクの傘が目に入る。
自分はびしょ濡れになっていて、
そこで自分が馬鹿だと気づく…


「濡らしちゃってごめんねー…」


ゆっくりと子犬を撫でた。
小さな体は
まだぶるぶると震えている。

ポケットにあった
ハンカチで濡れている部分を拭いてあげた。

そのあと子犬は
私の手を甘噛みして
じゃれてくる。

何故かそれが
私を慰めてくれているかのように感じた。

こんなにも小さな命が
こんなにも温かく。
私の冷えきった心に
光を与えてくれた。