私は立ち上がると窓際へ足を運ぶ。

そこには
1枚の写真と海色に輝く石を着けた、
シルバーのネックレスがある。


「ただいま」


私は小さく微笑んだ。

写真に映る自分と兄…

そして私の横で笑う1人の男の人。

気づかないうちに私の瞳から
雫がこぼれた。

窓を開けると
涼しい夜風が部屋に吹き込み、
私はそっと涙を拭っていた…