カチャ

リビングにいる
親に気付かれないように
静かに家へ入る。

誰も私に気付かない。
気付くわけがない。

私は部屋へ行き、灯りも点けずに
ベッドへ沈む。

疲れたのか
意識が薄くなり
瞼が重くなっていく…



「おい」


誰かの声が私の耳に響く。
見ずとも誰なのかくらい分かる。


「……」


何も言わずに
ドアの方に目を向ける。

そこには
兄、晃輝が居た。