私はハンカチを広げ
それを子犬の首に巻いた。

少しでも何かしてあげたかった…

子犬を抱きながら
ダンボールを小屋まで持ってきた。

さっきはよく見ていなかったから
気づかなかったけど、
底には毛布と食べかけの
ビスケットが入っていた。

これだけでは
生きていけないことは分かっていた。
だけどこうするしかなかった。
そんな誰かの声が聞こえくるようだった…

私はそっと子犬を
その中へ戻す。

子犬は不安そうに
私を見つめ、また震え出す。

優しく撫でると。
小さく甘えるように声をだす。