三島さん(年齢不詳)から私は第一製造部を引き継いだ。なので、原価Gの仕事を教えてくれたのも彼女。


そんな三島さんの、腰を裕に越す長さのまっすぐな黒髪ストレートは有名だった。聞けば、元々はクセ毛でストレートパーマをあてているらしい。…この長さってどれくらいのお値段になるんだろうと思う。


三島さんは一階の人事Gへ異動したけれど、一階のロッカー室に空きがなかった為、二階を使用していた。


「また韓国行く時は連絡するからね~」


「はい。待ってます」


原価Gに在籍して一番最初の冬、私と三島さん、そして後藤さんとで韓国に行ったことがあった。


そもそも、岸谷さんが海外旅行に行ったことがないということから始まり、じゃあ手近な所で韓国に行くかという話をしていたそうだ。けれど、岸谷さんが体調を崩してしまい、海外旅行はちょっと無理だと言う話になった。その時原価Gに現れたのが私だ。


私は海外旅行=韓国、むしろ韓国しか行ったことありませんというくらいのパスポートの持ち主で(つまり韓国の入国のハンコばっかりだった)、実は韓国に行ったことがなかった後藤さんと三島さんにとっては「待ってました!」だったらしい。


懐かしいなぁ。