「よしっあったあった――って…アレ?鳴沢さん…だよね?」



げ。話しかけてきた。なんで私の名前覚えてるのよ。

クラスメイトの名前なんか真美以外覚えてないし。
どう返事したらいいか、分からない。


とりあえず、私は本から目を離し、彼の顔を見た。



「――っ!!!!……く、草川…くん?」



そうだ、この顔は。

さっき、真美が見せてきた写真の男の子、草川 疾風だ。
そういえば、この人って私と同じクラスだったっけ…。



「おっ。名前、覚えててくれてたんだ?嬉しいな」



そう言いながら、草川くんは私の席の隣に座った。
早く授業に戻れよ…と言いたい。だけど、私もサボっている身なので、言うに言えない。



――ハァ…。困ったな。