「ねぇねぇ、亜希はさー疾風くんかっこいいと思わない!?」



目の前で話していた“知り合い”の真美が、キャーキャー興奮して、一枚の写真を取り出した。

写真に映っているのは、草川 疾風。
――何でも、爽やかサッカー少年として学校に親しまれている、現在人気No1の男の子……らしい。


『男にうつつを抜かしてる暇があるなら、勉強しろよ。この赤点』

と真美に言ってやりたかったが、自分もそこまで良い成績ではないことを思い出し、慌てて喉にまで出かかった言葉を引っ込めた。