「ふぁ…おはよお」
「おはよ」
「あれ、あんたが休日に早起きなんて、珍しいね」
「別に」
まだ眠そうな私の姉、瑠璃が目をぱちぱちさせていた。
「ふふ、もしかして、デート?とか?」
「ち、ちがうわよ!」
瑠璃は私と違って可愛くて、明るくて、友達も多い。
――それに勘が鋭くて、頭もいいのだ。
「はは~ん」
「うざい。あっちに行けよ」
「もお。そんな言葉遣い女の子なのにしちゃダメでしょー」
「うるさい!!!」
私は姉がこの世で一番キライだ。
見るだけで、自分がこんなにも価値がない人間なんだと思い知らされる。
両親は姉を生む時に全て優秀な遺伝子を姉にあげたんだ、と思っている。
だから、二番目に生まれた妹の私はこんなにも。
ブスで、愚図で、頭も悪い。
おまけに愛嬌もない。