「しょうがないな……」 自然と口から声が出ていた。 はっと気づいた時には遅くて、 目の前には満面の笑みの『カレ』。 ……遊園地なんていつぶりだろうか。 正直気が重いだけなのに。 行きたくなんてないのに……。 少しだけ楽しみだと思っている私は変なのだろうか。 ――いや、こいつのせいで頭までやられてしまったのだろう。 ブラックコーヒーを飲んでいる、 少しだけ計算高い男の罠に私は引っかかってしまった。